(公開日:2020年7月6日、最終更新日:2020年12月15日)
ビスタがプルーラルサイト買収で非公開に
2020年12月13日の”globenewswireの記事“によると、プルーラルサイトは、Vista Equity Partners/ビスタ・エクイティ・パートナーズに35億ドルで売却する最終契約を締結したと言います。
ビスタは、Pluralsightの発行済み株式すべてを1株あたり20.26ドルの全額現金で取得します。
この20.26ドルという購入価格は、本日の売却の発表前の30日の取引日の会社の出来高加重平均終値の約25%のプレミアムに相当します。
プルーラルサイトの株主は、所有する普通株式1株につき20.26ドルの現金を受け取ることになります。
この取引により、2021年上期の買収完了後にプルーラルサイトは上場廃止し、非公開企業となります。
下記は2020/12/15追記前の記事
Pluralsight Inc./プルーラルサイト・インク(PS)とは?
Pluralsight Inc./プルーラルサイト・インク(ティッカーシンボル:PS)とは、アメリカの授業を公開で行うオンライン教育企業で、そのカテゴリはソフトウェア開発者、IT管理者、およびクリエイティブプロフェッショナル向けなどに、さまざまなビデオトレーニング受講コースをWebサイトを通じて提供しています。
創業は2004年で、Aaron Skonnard(アーロン スコナード)、Keith Brown(キース ブラウン)、Fritz Onion(フリッツ オニオン)、Bill Williams(ビルウィリアムズ)によって設立されました。
本社はユタ州ファーミントンにあります。 2018年7月現在には、1,400人以上の専門家が教師として登録されており、プルーラルサイトのカタログには6,500以上のコースが受講可能となっています。12月決算です。
プルーラルサイト(PS)は、初めはトレーニングイベントなどにインストラクターを派遣するトレーニング会社として設立されましたが、2007年にオンラインコースを追加して以来、同社は成長していきます。
その後、同社はオンラインビデオトレーニングに注力していきます。
最近ではとりわけ、ITエンジニアの教育などの受講カテゴリが注目されています。
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Pluralsight/プルーラルサイト(PS)のIPO(上場)とビジネスモデル
プルーラルサイトは2018年4月、IPO(新規株式公開)を申請し、2018年5月17日にナスダック市場に15ドルの株価で取引を開始し、取引初日の株価は20ドルで取引を終えました。
ティッカーシンボルは【PS】です。
Pluralsight/プルーラルサイト(PS)は、サブスクリプションビジネスモデルを通じて、個人および企業顧客にオンラインの専門技術トレーニングを提供しています。
プルーラルサイト(PS)のビジネスモデルでは、彼らのビデオが閲覧された頻度に基づいて、コース作成者に使用料を支払う従量課金モデルです。
特にITエンジニアのスキルは陳腐化しやすく、新しくていけてるプログラミング言語が出てくると、それを新たに習得していかなければ取り残されてしまいます。
よって、プルーラルサイトの存在が彼らエンジニア、ひいては業界のITスキルアップを支えているとも言えそうです。
プルーラルサイト(PS)の強みと特徴
プルーラルサイト(PS)の売上の85%が企業からの収益ということで、企業向けに強みがあると言えます。企業からしても、ソフトウェア企業では社員の強さが会社の強さに直結するために、自社の強みを強化するために社員教育には力を入れざるを得ません。
この事から、契約企業に請求が出るタイミングが12月となり、売上などが12月に集中するという特徴があります。
加えて、プルーラルサイト(PS)は講師を社員として雇う必要がなく、高い技術をもった社外講師が同社に参加してくれるという強みがあります。
このために講師による競争原理なども働き、レベルアップが図られていきます。
2013年、著者のスコットアレンは自身のコースから100万ドルを超えるロイヤルティを稼いだ最初の人物となりました。
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Pluralsight/プルーラルサイト(PS)の資金調達
2012年12月、同社はInsight Venture PartnersからシリーズAの資金調達で2750万ドルを調達しました。
加えて、2014年3月18日に資金調達で250万ドルを受け取りました。
2014年8月27日、Insight Venture Partners、Iconiq Capital、およびSorenson CapitalからシリーズBの資金調達で1億3500万ドルを受け取りました。
共同創設者兼CEOのアーロンスコナードは、この資金調達ラウンドの後、同社の評価額は2012年の1億ドル未満から10億ドル近くに増加したと発表しました。
2016年12月、同社はシリーズCラウンドでInsight Venture PartnersとIconiq Capitalなどからさらに3,000万ドルを調達し、10億ドル以上の企業価値を得たと言います。
Pluralsight/プルーラルサイト(PS)の買収
プルーラルサイト(PS)はあまり買収は行わずに内部成長を重視していましたが、戦略の方向転換を行い、2013年からは買収戦略を加速させています。
テクノロジーの強化、幅広いコースの提供、経営陣のリーダーシップを強化するために、多数のeラーニングおよび教育会社を買収しました。
2013年7月24日、同社は、開発者向けのオープンソーストレーニングを提供する「PeepCode」を非公開で買収しました。これにより、オープンソースカテゴリの約100の新しいコースがPluralsightのコースカタログに追加され、主にMicrosoftテクノロジーに取り組んだ開発者に焦点を当てた従来の提供範囲を超えて拡張されました。
情報技術担当者向けのトレーニングを提供するシカゴを本拠とする「TrainSignal」を2360万ドルで買収しました。 35名の「TrainSignal」従業員を吸収し、シカゴのオフィスをサテライトとして維持しました。
10月31日、Pluralsightは新しい開発技術に関する一連のスクリーンキャストのプロデューサーである「Tekpub」を非公開で買収した。共同創設者のロブコネリーはPluralsightに加わり、そのブランドの下でトレーニングビデオを制作し続けています。
2014年4月9日、Pluralsightは、クリエイティブプロフェッショナル向けのトレーニングを提供する「Digital-Tutors」を4500万ドルで買収したと発表しました。
この買収により、同社のトレーニングカタログは3000タイトルを超えるまでに拡大し、メディアとデザインにトピックのカバーが広がりました。「 Digital-Tutors」の約30人の従業員がPluralsightに参加しました。
Pluralsightはオンラインのスキル評価プラットフォームである「Smarterer」を7,500万ドルで買収したと発表しました。ボストンを拠点とする「Smarterer」は2010年に設立され、主に「Google Ventures」に支えられています。
2015年1月26日、Pluralsightはオーランドベースの「Code School」を3600万ドルの買収を発表しました。このオンライントレーニングサイトは、エントリーレベルおよび中間のコーディングと、プログラミングに関連するビデオコースとエクササイズベースのレッスンを提供しています。
Pluralsightは「HackHands」を非公開で買収したと発表した。 2013年に設立されたサンフランシスコを拠点とする「HackHands」は、ビデオとオーディオのチャット、インスタントメッセージング、および画面共有を介して、技術学習者にオンデマンドのライブアシスタンスを提供します。
2016年7月19日、PluralsightはAdobeソフトウェアに焦点を当てたビデオトレーニング会社である「Train Simple」 を買収したと発表した。
2019年5月1日、Pluralsightは、開発者チームの生産性向上ツールである「GitPrime」を1億7000万ドルで買収すると発表した。
このようにプルーラルサイト(PS)は買収により、カテゴリの拡大や人材などを確保していきました。
Pluralsight/プルーラルサイト(PS)の業績・決算の数字
プルーラルサイト(PS)の売上は順調に伸びていることが分かります。
しかし営業キャッシュフロー・純利益とともに赤字を抜け出せていません。ちょっと投資するには数字が弱いかもしれません。。
プルーラルサイト(PS)の株価の推移・時価総額
プルーラルサイト(PS)の株価の推移を見てみると、2019年の第3四半期の決算で弱い数字を出してしまい、約30%も株価が下落してしまいました。
その後、コロナ禍の株価の下落の穴は埋まったようですが、まだまだ厳しい状況が続きそうという印象です。
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