(公開日:2020年6月10日、最終更新日:2020年7月11日)
Beyond Meat/ビヨンド・ミート(BYND)とは?
アメリカでは健康志向の高まりから、エンドウ豆や玄米、緑豆のタンパク質、ビートジュース、ジャガイモからの抽出物、植物性のココナッツオイルなどで作る、ハンバーガーなど代替肉市場が急拡大しています。コレステロールもゼロで通常の肉に比べると、賞味期限も長い。
その2強がビヨンドミート(ティッカーシンボル:BYND)と競合のインポシブル・フーズです。
ベジタリアンやヴィーガンというキーワードを耳にする機会が増えたのも、両社にとっては追い風でしょう。
インポッシブル・フーズは現在非公開ですが、ビヨンド・ミート(BYND)は2019年5月3日にIPO(上場)を果たしています。
ビヨンドミート(BYND)の創業は2009年、決算は12月です。
社名の由来は「肉を超越している」という意味でビヨンド・ミート(Beyond Meat)と名付けられました。
(参照→ 会社に投資する株式と、通貨に投資するFX )
ビヨンドミート(BYND)の主力商品の「ビヨンドバーガー」
ビヨンドミートの主力商品であるは「ビヨンドバーガー」は、本物の肉を使ったバーガーと間違えるほど、見た目や味などが再現されているようです。
ビヨンド・ミートの代替肉は、すでにマクドナルド、ケンタッキー・フライド・チキン、カールスジュニア、タコベルなど、大手のファーストフードチェーンに導入されています。
現在はアメリカを中心に販売されていますが、これから世界的に広がり、日本参入も時間の問題で広がることが容易に予測できます。
2019年3月末には、JAXAが「宇宙食料マーケット」の創出を目指し、「培養肉」を含む宇宙で食料を地産地消できる技術の開発を行うとしました。
これは宇宙移民の実現に向けた動きの一環で、将来的には宇宙ステーションや火星に培養肉の研究所または工場を建設する予定とのことです。
培養肉・代替肉のメリット、問題や危険性について
人間の食生活にとって欠かすことができない牛肉や豚肉、鶏肉などの食肉。
培養肉・代替肉では、これまでの食肉とは違い、動物を屠殺する必要もなく、厳密な衛生管理も可能で、がんなど体調に悪影響を与えるとされる動物性タンパク質の摂取を減らせるといったメリットがあります。
しかしその危険性などはまだ明らかになっていませんし、まだまだ高価であるということが問題となっています。
値段の問題は時間が解決してくれるとして、人間に与える影響や健康についてもう少しデータがほしい所です。
ビヨンドミート(BYND)の資金調達・競合・強みなど
ビヨンドミート(BYND)は創業年の2009年に、自らもヴィーガンであるイーサン・ブラウンが設立した企業で、設立直後には、ビル・ゲイツやタイソン・フーズなどから資金を調達しています。
Wikipediaによると、ビル・ゲイツはビヨンドミート(BYND)の株式を22.91%保有しているといい、ビル・ゲイツはその競合であるインポッシブル・フーズにも投資しています。
ビル・ゲイツの考えでは、1社が大勝ちするよりも、2社による競争による市場開拓・市場拡大に期待しているのではないかと思います。
とにかくビル・ゲイツは、培養肉市場・代替肉市場にポジティブで力を入れている事がわかります。
大豆など植物由来のタンパク質で作る加工肉ベンチャー円バーガーなどの肉製品を氷、レストラン向けなどに販売。業績は19年から9拡大、20年も前年比7割増収を計画。赤字幅大幅縮小へ。植物由来の加工肉は環境にも優しい。
ビヨンドミート(BYND)の競合には、上記で登場したインポッシブル・フーズの他に、Tyson Foods/タイソン・フーズ(NYSE:TSN)やNestle/ネスレ(OTCPK:NSRGY)のSweet Earthブランド、ネクストレベルバーガー、ハングリープラネット、クラフト・ハインツ(KHC)のBoca Burgers(ボカ・バーガーズ)などもあります。
Boca Burgers(ボカ・バーガーズ)は、ビヨンドバーガーが登場する前の10年前である2000年辺りから販売されています。
ウォルマートでは、Beyond Burger(ビヨンド・バーガー)の価格は8オンスで4.84ドル、Boca Burgers(ボカ・バーガーズ)は10オンスで3.22ドルです。
これだけの価格差があります。
ビヨンドミート(BYND)の強みを考えてみると、エンドウ豆や玄米、緑豆のタンパク質、ビートジュース、ジャガイモからの抽出物、植物性のココナッツオイルなどの成分を混ぜて植物由来のバーガーを作るこれらの方法には、独自の強みではなく、競合なども似たような製法で作ることが可能です。
あえて強みを挙げるなら、植物由来のバーガーのトップランナーとして、ニュースで良く取り上げられているという話題性から来るマーケティング力、ブランド力かなと思います。
味・栄養・価格ともに評価の高い、Boca Burgers(ボカ・バーガーズ)が再評価されることの可能性にも、ビヨンドミート(BYND)の株式の保有者には注意が必要かもしれません。
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ビヨンドミート(BYND)の業績・決算の数字
ビヨンドミート(BYND)の決算の数字を見てみると、2019年に売上が急激に伸びていることが分かります。
これはマクドナルドを始め、ファーストフードへの商品の提供が始まったからかと推測できます。
同時に営業キャッシュフローを見てみると、赤字幅が拡大していますが、これだけ売上が急増していると、2020年以降にも黒字化も十分に射程圏内ということが言えます。
コロナ禍では食肉工場での生産が減少し食肉価格が上昇したのに比べ、ビヨンド・ミート(BYND)では、値下げした「バリューパック」を投入するなど攻勢を掛けています。
2020年1~3が月には予想より早く黒字化を達成しました。
ビヨンド・ミート(BYND)の株価の推移と時価総額
ビヨンド・ミート(BYND)のIPOと今後の将来性
ビヨンド・ミート(BYND)のIPO(上場)は2019年5月3日でした。
IPO(新規株式公開)の株価は19ドルでしたが、上場直後には46ドルの高値を付け、取引初日を65.75ドルで終えました。
これはIPOのパフォーマンスとして、ここ20年で最高のものです。
同社の株価はその後も上昇を続け、2019年7月26日には234.90ドルという株価を記録して、数ヶ月でテンバガー(10倍株)になりました。
その後、一旦株価は落ち着きましたが、アメリカでコロナが猛威を振るっていた4月に入ると、FRBの金融緩和もあり上昇気流に乗っていっています。
2020年6月現在、株価154ドル近辺ですが、昨年に付けた高値である234.90ドルという株価を、いつ突破するかに期待が集まります。
時価総額は95億ドル(約1兆円)規模となっています。
今後、培養肉・代替肉市場はこれからの市場ということもあり、ビヨンド・ミートとその競合のインポッシブル・フーズが市場を牽引していくことになりそうです。
この代替肉市場は世界各国へ拡大することが予想されますし、新しいジャンルとして確率することも期待できます。
ビヨンドミートの将来性は有望と言えそうです。
日本企業の代替肉メーカーにも期待したい所です。
参考
・Wikipedia(ビヨンド・ミート)
・Wikipedia(培養肉)
・poscube
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