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(この記事は、2020年4月期(第14期)の星野リゾート投資法人の決算資料の情報を元に、作成しています。)

2020年6月15日、星野リゾート・リート投資法人 (3287)が決算を発表しました。

新型コロナウィルスにより、渡航制限や外出自粛要請が発令されたり、旅行客や訪日観光客が激減しました。

そんな中、ワクチンや治療薬の開発まで、その影響は旅行業界、観光業界にとっては、茨の道が待ち受けています。

下記には、星野リゾート代表の星野佳路の言葉です。

ワクチンや治療薬が登場するまでの約1年から1年半は新型コロナウィルス感染症による影響を受けると考えており、長期化するWithコロナ時代に適応して生き抜きます。

業界に抜きん出て、組織を最適な姿に変え、いち早く新しい経営環境に適応することが重要だと考えています。(星野リゾート代表:星野佳路)

「生き抜く」という強い言葉を始め、国内宿泊業者のトップランナーの代表としての決意が伝わってくる内容で、決算説明資料にはその対応策に多めのページが割かれていました。

その対応策などを見ていきましょう。

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対COVID-19「Withコロナ」時代の星野リゾートの戦略

◯旅行需要予想

感染者数と旅行需要の波(イメージ)
これは星野リゾートがイメージしている、旅行需要のグラフです。

星野リゾートでは一般的にも言われているように、ワクチンや治療薬開発まで12ヶ月~18ヶ月を目安としています。

緑のグラフは感染者数の推移で、緊急事態宣言の近辺を頂点にして感染者数が減少していき、自粛緩和することで第2波といえる感染者が増加に転じます。

そして自治体などの努力や、知見なども増えていくことで、ワクチンや治療薬開発まで、感染者を抑えながら時間稼ぎをしながら、ワクチンや治療薬の登場により「ゴール」を迎え、紫のグラフである旅行需要が通常水準に向けて戻っていく。

「Withコロナ」状況が収束していくというイメージだそうです。

星野リゾートでは、緩やかな緩和期には、①近隣市場、②関東・関西圏の順に需要が戻ると想定しています。

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◯日本の観光市場規模

日本の観光市場規模

そして国内の観光市場に目を向けてみると、日本における旅行の市場規模は合計「29.9兆円」としています。

その中で、訪日外国人によるインバウンド需要の「4.1兆円」が蒸発してしまいました。

しかし逆に、日本人が海外旅行に行けなくなった「4.3兆円」分が、国内旅行に振り向けられると言います。

加えて、2020年7月下旬に開始予定の「政府によるGo To キャンペーン」が需要を喚起して、プラスアルファが加わると言います。

※「政府によるGo To キャンペーン」とは、消費者が購入した旅行商品の代金の1/2相当分(1人一泊あたり最大2万円)のクーポン等を付与・日数の上限なしなどの内容が議論されています。

もともとインバウンド率の低かった星野リゾートですが、このキャンペーンによってかなりの恩恵を受けるものと思われます。

対策①3密回避滞在の提案

星野リゾートでは、宿泊施設の新しい選択基準は、『3密回避』になると予測しています。「衛生管理」と「3密回避」の2つの対策を掲げ「最高水準のコロナ対策宣言」として、3密回避対策の動画も公開されています。

「フロント飛沫感染対策」「ソーシャルディスタンス」対策として、客室でのチェックイン対応や、ビュッフェ形式だったものを、セットメニュー・テイクアウト形式への転向のほか様々な取り組みを実施していると言います。

続いて、リゾートにありながら、リモートワークに適した環境や設備も用意されています。星野リゾートで仕事をすると生産性があがるかもしれませんね。

加えて、自然豊かなリゾート地というロケーションが多い星野リゾートならではということで、3密のない場所で澄んだ空気を吸って、心も身体もゆるめてリラックス。解放感のあるヴィラ仕様の客室や自然豊かな環境で安心して滞在できる事もアピールされています。

対策②「マイクロツーリズム」需要の喚起

星野リゾートでは、マイクロツーリズム需要の取り込みに力を入れると言っています。

マイクロツーリズムとは、15分~1時間程度で行ける範囲の近場での観光のことで、飛行機や公共交通機関の利用を避け、自家用車で近場での旅行をするニーズが増えると見込んでいます。

台湾「星のやグーグァン」ではマイクロツーリズムが顕在化

「星のやグーグァン」は台湾の台中から少し東に行ったところにあります。

星野のリートの所有物件ではありませんが、「星のやグーグァン」では、台湾人客の割合は昨年12月の75%から、3月には98%に上昇したと言います。

海外旅行に行けなくなった国民が、国内旅行に切り替えた事例となりそうです。

星野リゾート2020年の感染症対策まとめ

上記にて、星野リゾートによる感染症対策をまとめてきました。

2003年のSARS(サーズ)、2012年のMERS(マーズ)コロナウイルス、そして今回のCOVID-19。

これからもこういった感染症が来ないとも限りません。

今回の教訓を機に、星野リゾートでは対策を進め強化されています。

次に何が起こるかは分かりませんが、今回の星野リゾートや他の宿泊業者者を始めいろんな業種の方たちの対策により、被害が抑えられることを切に願います。

【合わせて読みたい】
星野リゾート・リート投資法人 (3287):銘柄分析

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