ぐるなびは5月20日に定款の一部変更を同社ホームページにて発表しました。下記にて重要部分の抜粋と、色付けです。
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(出典:ぐるなび公式)
現行定款の⑩にもある通り、ぐるなびは以前からの「ぐるなび食市場」という、楽天でもよく見るような食品や取り寄せグルメなどをインターネット販売していました。
そして今回定款が変更されて、「厨房機器その他食または飲食に関する商品・製品の売買、賃貸ならびに斡旋仲介およびコンサルティング」という文面が追加されていることが分かります。
加えて、次ページでは、(30)古物営業法に基づく古物商、という表記も追加されています。
これを見ると、テンポスホールディングス(2751)の子会社である「テンポスバスターズ」や「テンポスドットコム」が行っているサービスを思い起こさせます。
テンポスバスターズが行っている事業とは、厨房機器の買取や販売、飲食店の物件探しや内装工事、資金調達、雇用関係、フランチャイズ関係の相談・コンサルタントなどがあり、飲食店オーナーが経営で必要とする包括的な経営支援となります。
テンポスドットコムでは、厨房機器のインターネット販売を行っています。
今回の定款変更により、ぐるなびが狙う新領域としてテンポスバスターズと真っ向からぶつかる可能性が大きく出てきました。
ぐるなび、コロナ禍による飲食店減少により、追い風市場に参入へ
2020年に入り、新型コロナウィルス「COVID-19」が日本各地でも広がっています。
そして4月に入ると日本全国に緊急事態宣言が発令され、自治体による営業自粛要請が広がりました。
これにより飲食店も大打撃を受け、残念ながら閉店を選択する事業者も出てきており、これからますます飲食店の廃業が増えてくることは容易に想像することができます。
そんな中で、事業拡大が見込まれる厨房機器の中古売買の2次市場、そして飲食店の新陳代謝が進むでしょう。
今の壊滅的な経済環境では、閉店した店の機器を大量に仕入れる事が可能で、逆にコロナが落ち着いた時には、大手を中心に飲食店の新規出店が始まり、この2次市場の拡大を後押しします。
実際にテンポスホールディングスはリーマンショックの際でも、増収増益を達成するなど、不況期でも底堅い事業を行っていると言えます。
ぐるなびは事業の類似性から、幅広い飲食店経営者とのコネクションを多く持っています。その数はテンポスバスターズを大きく凌ぐ事が予想でき、加えて飲食店のマーケティングやコンサルティングの点から言えば、ぐるなびというメイン事業を持っているぐるなびのほうが、飲食店オーナーと距離が近く接点も多いでしょう。
ぐるなびの本業である飲食店からの課金の減少は懸念されますが、今回の新事業参入により、その凹みをカバーし、好況時にも不況期にも強い事業体を作りたいたいという野心が見て取れます。
時価総額ではほぼ同規模のぐるなび(2440)とテンポスホールディングス(2751)
5月22日現在の両社の株価を見てみると、ぐるなび(2440)の株価が「593円」で時価総額が約289億円です。
続いてテンポスホールディングス(2751)の株価は「2002円」で時価総額が約286億円となっています。
ほぼ同規模の時価総額を誇っていますが、テンポスホールディングスの子会社には、「あさくま」というステーキレストランを中心に80店舗ほど入っていますので、これから競合してくる部分の事業価値では、もっと低いでしょう。
ぐるなびには、資本提携している楽天という巨大バックボーンの存在があります。現時点でも楽天ポイントの導入やその他の恩恵も受けていますが、今回の新規参入分野でもそれら楽天の強みも生かして攻めてくることが予想されます。
テンポスホールディングスにとっては、厳しい戦いとなる事が予想されますが、これからのぐるなびの動向には注目です!!
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