インフラファンドとは、Jリートに似た投資商品で、主に太陽光発電に投資している会社に小口で購入が可能となっており、投資家はその持ち分に応じた分配金を受け取ることができる。株式やリートと同じく市場で売買することが可能。
※東証は2020年4月から「東証インフラファンド指数」を算出すると発表。
インフラファンド:銘柄の選び方
ポイント1=FITの買取価格と買取期間の20年後
収益は太陽光により発電した電力を、FIT(電力の固定価格買取制度)により20年間(10kW以上の太陽光発電の場合)を定額で売電することができる。どのタイミングでスタートしたかで買取価格が変わってくるため、まずはその価格や時期などを調べることが重要である。
ちなみに電力の買取制度は、2009年に今の制度がスタートし、2012年にFIT(電力の固定価格買取制度)が導入。当初では1kw当たり40円ほどだった固定買取価格が2017年では21円、現在ではさらに下落して10円程度に向かっています。
そのため、今の買取価格の20年間(10kW以上の太陽光発電の場合)という期間が終了した際には、再度FITを利用したとしても同じ価格で契約することができず、大きく収益性が落ちることが予想されます。2010年にスタートしたとしても20年後の早ければ2030年頃には契約終了案件が出てくることから、案件ごとに契約期間のチェックが必須となります。
我々投資家としては、各ファンドのその当たりの動向に注目し、売却を含めた出口を常に考えておくことが必要となります。
ポイント2=エリアや地域分散によるリスク分散
太陽光発電では、もちろんどの地域を選ぶかによって太陽光が強い地域、曇りや雨が多い地域など発電量に差が出てきます。より発電量が強いエリアを持っていることが重要となるのはもちろん、台風や地震などが多い地域など、自然災害の影響を受けるというリスクがあるために、一つのエリアに集中して拠点を置くのはリスクとなり、エリア分散ができているかも重要なポイントとなります。
ポイント3=変動金利か固定金利か
インフラファンドでは自然災害を除けば、景気の良し悪しに左右されない安定銘柄とされています。ただ注意が必要なのが、借り入れ金利。現在は金利が低水準で安定しているが、日本でも景気が変動することにより、インフレなどが起き、金利が上昇する可能性もあります。そのことを考えれば、固定金利での借り入れ比率が高いファンドのほうがより安定感があるといえます。
将来性とコロナの影響が軽微というメリットも
新型コロナの影響で、ほとんどの業種で影響を受ける中、インフラファンド銘柄では、一部の投資家による現金化目的などで2割~3割ぐらいの株価下落が見られたが、既存の発電設備にはコロナウィルスの影響がほとんどなく、いつまで外出規制や景気収縮が続くか見通せない中で、インフラファンドの安定感や将来性は今の不透明な市況ではメリットと言える。
インフラファンド 上場の7銘柄
- タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)
- いちごグリーンインフラ投資法人(9282)
- 日本再生可能エネルギー投資法人(9283)
- カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(9284)
- 東京インフラ投資法人(9285)
- エネクス・インフラ投資法人(9286)
- ジャパン・インフラファンド投資法人(9287)
インフラファンド、決算と高い分配金と利回り
各社の決算はリートと同じく、年に2回か1回となっています。分配金の利回りは各社5%を上回り7%近くある銘柄もあります。1口5万円~10万円ほどの銘柄ばかりで、個人投資家にとってもポートフォリオの一部にインフラファンドを考えても良いかもしれません。
(2020年4月現在)