(公開日:2020年4月23日)
リート(不動産上場投資信託)は、普通の株式投資と比較して安定感があり分配金(配当)率が高いということで、個人投資家などからも人気がある投資商品となっています。
J-REITとは、日本に上場しているリート商品という意味で、J-REITを買いたいと思った時には、いろいろな方法があります。
まずはじめに個別銘柄という選択肢です。個別銘柄には森ヒルズや阪急阪神リート、星野リゾートなどがあります。
個別銘柄に投資しようとすると、自身で銘柄分析を行い、ニュースを追い、決算をチェックするなどの”個別銘柄を分析する時間を掛けられる投資家向け”となります。
続いての方法はリートのETFを購入するという方法です。(本記事で紹介)
リートをETFで買うことのメリットは、個別銘柄のように個別銘柄に時間をかけずに投資できるということです。
東証リート指数という、株式で言うところの日経平均やTOPIXのような指数に連動したインデックス投資が可能な銘柄が多数あります。
その他、分配金の利回りが高い銘柄に投資を行うアクティブ系のETF銘柄などもあります。
次に、個別のJ-REIT銘柄では、基本的に日本の不動産への投資した銘柄※しかありませんが、リートをETFで買おうとすると、先進国やアジアを投資対象としたリートに投資したETF銘柄や、オーストラリア、アメリカを対象としたリート銘柄が存在して、海外不動産リートにも投資することができるようになります。
(※インヴィンシブル投資法人ではポートフォリオに海外不動産の保有を始めています。)
J-REITのETF銘柄を比較し購入する際は、利回りや時価総額、分配金(配当)の額、配当月がいつなのか、信託報酬がいくらなのかを、最低限比較したい所です。
そしてリートETFは基本的に株式と同じで、100口単位からの取引となりますが、最近ではミニリートETFというのもあり、10口や1口などの数千円~数万円などから投資することができる銘柄が増えてきています。
資金に余裕がない時などにも、リートETFは面白い選択肢になるでしょう。
[参考記事→まずはこれだけっ!J-REIT(リート)の基本]
J-REIT指数に連動したおすすめ銘柄紹介・ランキング
1位:【1343】NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信
野村アセットマネジメントが提供している東証リート指数に連動した、最大級の時価総額を誇るインデックスファンドです。(約3,000億円)
決算月は「2月、5月、8月、11月」の年4回となっています。売買単位は10口から可能。
コロナ前の株価は2,300円前後、2020年4月現在では1,600円前後となっています。ということは10口で数万円から買い付けることが可能です。
信託報酬(経費率)は0.155%(税抜)と最安値圏となっています。
世界最大の資産運用会社であるブラックロックが提供している、iShares(アイシェアーズ)シリーズのリートETFです。
ファンドオブファンズ方式で運用しており、このリートETFの最大の特徴は1口から投資できるということです。
時価総額も2,000億円ほどと大きく、信託報酬(経費率)は0.16%(税抜)と最安値圏です。
決算月は「2月、5月、8月、11月」の年4回となっています。基準価額は1口当たり。
コロナ前の株価は2,200円前後、2020年4月現在では1,600円前後となっています。ということは1口で数千円から買い付けることが可能です。
10口以下の端数口で購入したい場合は、ブラックロックのiシェアーズ「【1476】iシェアーズ・コア Jリート ETF」がおすすめです。
三井住友DSアセットマネジメントが提供している、J-REITインデックスファンドです。
時価総額は約600億円で、決算月は「3月、6月、9月、12月」の年4回となっています。売買単位は10口から購入可能です。
コロナ前の株価は2,100円前後、2020年4月現在では1,600円前後となっています。ということは10口で数万円から買い付けることが可能です。
信託報酬(経費率)は0.22%(税抜)と【1343】より少し高いですが許容範囲可と思います。
【1343】と組み合わせることで、年間12ヶ月のうち8ヶ月で分配金を貰えるようになります。
※ランキングは個人の見解で、手数料の安さ、時価総額の高さ、最低口数が低く買いやすさを考慮しました。
番外編:「毎月分配金を得る」東証リート指数連動ETF
上記の東証リート指数連動ETFでおすすめしたリートの中で、【1343】決算月「2月、5月、8月、11月」と、【1398】決算月「3月、6月、9月、12月」とがありました。
しかし決算月が抜けている「1月、4月、7月、10月」というのは、農林中金全共連アセットマネジメントが運用する「NZAM 上場投信 東証REIT指数(1595)」のみとなっています。
おすすめには入れていませんが、東証リート指数に連動したリートETFで毎月分配金を得たい方には、このETFを組み入れる必要があります。
時価総額は約1,600億円ほど、信託報酬(経費率)は0.25%となっています。
よって、【1343】【1398】【1595】の3銘柄のETFを購入すると、毎月分配金というポートフォリオを組むことができます。
ここから下は、おすすめではなく個性的なリートETFの銘柄紹介となります。
高利回りを目指す、JリートETF
三菱UFJ国際投信が提供している、高利回りの上場不動産投資信託の中から、高利回りの銘柄を組み入れた指数「野村高利回りJリート指数」との連動を目指すETF(上場投資信託)です。
時価総額が約100億円と小さく、この規模になると”流動性リスク“を考える必要があります。
流動性リスクとは、市場での取引自体が少なく、買いたい時に買えない、売りたい時に売れない、というリスクです。
中長期での保有を考える方には、多少は許容できるかと思いますが、頭に入れておく必要があります。
決算月は「1月、4月、7月、10月」の年4回となっています。基準価額は1口当たり。
コロナ前の株価は11,000円前後、2020年4月現在では8,000円前後となっています。ということは1口で1万円前後から買い付けることが可能です。
海外リート・先進国のリートに投資する
【2515】NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信
S&P先進国REIT指数(日本除く、配当込み)を対象指標とし、アメリカ・オーストラリア・イギリス・シンガポール・フランスなどの先進国のリートを時価総額に応じた比率で組み入れたETFとなります。
注意が必要なのは、運用対象が為替ヘッジしていない外貨建て資産であるため、”為替変動リスク“がある点です。
加えて時価総額が約30億円と小さく、こちらの銘柄も”流動性リスク“を考える必要があります。
決算月は「3月、6月、9月、12月」(それぞれ7日)。分配金は決算日から約40日後に支払われます。
基準価額は10口当たり。
コロナ前の株価は1,100円前後、2020年4月現在では800円前後となっています。ということは10口で10万円前後から買い付けることが可能です。
アジアやオーストラリアの不動産に投資したい方はこの銘柄
日興アセットマネジメントが提供しています。
円換算したFTSE EPRA/NAREIT アジア(除く日本)リート10%キャップ指数の変動率に連動させることを目指しているETF(上場投資信託)です。
主に、「シンガポール籍外国投資信託 日興AM・ストレイツ・トレーディング・アジア(除く日本)リート シンガポールドル建受益証券」に投資を行っています。
このETFも為替ヘッジを行わないので”為替変動リスク“があります。
決算月は「1月、4月、7月、10月」。基準価額は10口当たり。
コロナ前の株価は11,500円前後、2020年4月現在では9,500円前後となっています。ということは10口で10万円前後から買い付けることが可能です。
【1555】上場インデックスファンド豪州リート(S&P/ASX200 A-REIT)
日興アセットマネジメントが提供しています。
円換算したS&P/ASX200 A-REIT指数の変動率に一致させることを目指しているETF(上場投資信託)です。
主な投資対象は、オーストラリア証券取引所上場の不動産投資信託証券です。
このリートでも為替ヘッジを行っていないので、”為替変動リスク“があります。
ファンドオブファンズ方式で運用。
決算月は「2月、4月、6月、8月、10月、12月」(それぞれ10日)。基準価額は10口当たり。
コロナ前の株価は1,700円前後、2020年4月現在では1,000円前後となっています。ということは10口で1~2万円前後から買い付けることが可能です。
アメリカ不動産への投資はブラックロックの「iShares」で
世界最大の資産運用会社であるブラックロックが提供している、iShares(アイシェアーズ)シリーズのリートETFです。
iシェアーズ 米国リート ETFは「FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)」の動きに連動を目指すETFです。
このETFは円建てですので”為替変動リスク“はありません。
決算月は「2月、5月、8月、11月」。基準価額は1口当たり。
コロナ前の株価は2,300円前後、2020年4月現在では1,600円前後となっています。ということは1口で2千円前後から買い付けることが可能です。
海外ETFでアメリカREITへの投資を(米国株)
アメリカ株へ投資できる証券会社に口座を持っている方は、下記のアメリカ不動産に投資するETFを購入することもできます。
「SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF(RWR)」NYSE Arca 上場
同ETFは、「Dow Jones U.S. Select REIT Index」の株価指数の変動に連動することを目指しています。
「iシェアーズ 米国不動産 ETF(IYR)」NYSE Arca 上場
iシェアーズ 米国不動産 ETFは、米国の不動産セクターの株式で構成される指数と同等の投資成果をあげることを目指しています。
まとめ
以上、長くなりましたがおすすめのリートETF、高利回りを目指すETF、毎月分配金のためのポートフォリオ銘柄と組み合わせ、世界のリートへ投資するETFなどを紹介してきました。
リートは手軽に不動産に投資できることもあり、ぜひとも安定的に長期的にポートフォリオに組み入れたいですね。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
[参考記事→まずはこれだけっ!J-REIT(リート)の基本]