インデックス・ファンドとアクティブ・ファンドの違いとは?

前回の「ETFとは?」という記事ではETFの基本や仕組みなどを見てきました。

そして今回は、上場する前のETFの元となっている投資信託について勉強していきましょう。

投資信託には、「インデックス・ファンド」と「アクティブ・ファンド」の2つの種類があります。

まず初めに、インデックス・ファンドとは、日本株なら日経平均株価や東証株価指数、アメリカ株ならNYダウやナスダックなどの株価指数に連動するようにプログラムされてシステムによって運用されている投資信託です。
(パッシブ・ファンドとも呼びます。)

よって、各社販売している商品の運用成績には、大きな違いは生じませんので、好きな会社の商品であったり、手数料の安さや時価総額などを比較していくことになります。

続いて、アクティブ・ファンドとは、上記のような株価指数を上回る投資実績を目指した投資信託となります。

アクティブ・ファンドの銘柄を購入する場合には、どのような運用方針なのか、だれがファンドマネージャーなのか、過去の成績はどうなっているのか、など多岐にわたる調査が必要です。

しかしそれだけの事をしても、アクティブ・ファンドがインデックス・ファンドの運用成績を下回ることもあります。

そのようなことから、最近ではインデックス・ファンドが見直されてきています。

インデックス・ファンドの人気化の流れ

投資先進国のアメリカでは昔、アクティブ・ファンド全盛の時代がありました。

そんな中、アメリカの資産運用会社のバンガードグループから、世界初の個人向けインデックスファンドが発売されたのは1976年で、およそ40年以上前のことになります。

それから現在のアメリカでは、利回りの高いアクティブ・ファンドよりもインデックス・ファンド優勢の時代へと変化していると言います。

それはなぜなのか?詳しく見ていきましょう。

(インデックス・ファンドが生まれた経緯などは下記参照記事を御覧ください。)

(参照→「インデックス・ファンドの父」バンガード・グループとは

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ウォーレン・バフェットの遺言、インデックスファンドをおすすめする訳

皆さんご存知の伝説の投資であるウォーレン・バフェット氏もインデックス・ファンドを勧めています。

それは2013年の時、1930年生まれで当時80歳を越えた年齢だったバフェット氏は、遺言執行者に、自分が他界した後の資産運用の方針を伝えていると言われています。

そのウォーレン・バフェット氏の投資方針とは、こちらです。

私から管財人へのアドバイスは、これ以上ないくらいシンプルです。それは「現金の10%を短期国債に、90%を低コストのS&P500インデックスファンド(勧めるのはヴァンガードのファンド)に投資すべし」というものです。この方針に従えば、管財人の長期的な運用成績は、年金ファンドであれ、機関投資家や個人投資家であれ、高い報酬を払ってファンドマネジャーを雇っている大半の投資家の成績よりも高くなると考えています。

このように、ほとんどの資産を低コストの手数料である、S&P500の株価変動に連動する、ヴァンガードのインデックスファンドに投資するように勧めているのです。

さまざまな運用戦略を用いる高コストなヘッジファンドの運用成績が、S&P 500に連動するインデックスファンドに劣っているとも指摘しています。

なぜ、一般的な投資信託やアクティブ・ファンドではなく、インデックス・ファンドを選んだのか?

それはウォーレン・バフェット氏がインデックス・ファンドをおすすめする、その理由は主に手数料にあります。

インデックス・ファンドのメリット

インデックス・ファンドは手数料が安いというメリットの他に、投資初心者の方にも、おすすめできる理由があります。

それは例えば日経平均株価に連動しているパッシブ・ファンドの場合、自動的に225銘柄に分散投資することになります。

TOPIXに連動している銘柄だと、2000銘柄以上に分散投資することになります。

そうすると中には、倒産して株式が紙くずになる銘柄もでてきますが、それは225分の1の銘柄となります。そして順調に株価を伸ばす銘柄ももちろんありますから、リスクを分散することができます。

そして低コストに運用できて、手間や時間を掛ける必要もありません。

その逆にアクティブ・ファンドを見ていきましょう。

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アクティブ・ファンドの高い手数料というデメリット

アクティブ・ファンドでは、ファンド・マネージャーが積極的に介在し、利回りを上げるために銘柄入れ替えを考えたり、少しでも利回りをあげるために働きます。

それは全く悪いことではありませんが、その分の人件費が手数料となって高くなってしまうというデメリットにつながってしまいます。

ファンド・マネージャーがいくら優秀だとしても、良い成績の時もあれば、悪い成績の時もあり、マイナス利回りとなってしまう時も出てきます。

今までは良い成績をあげていたとしても、運用方針が変わったり、マネージャーが変わったりすると、パフォーマンスが落ちるリスクも考えなければなりません。

特にファンド・オブ・ファンドなどの場合、手数料も二重でかかることとなり運用で利益が出ても、手数料で負けてしまうという確率がより高くなってしまいます。

そもそもファンド・マネージャーの運用能力よりも「サルの方が勝る」、という主張が行動経済学的では存在しています。

「行動経済学」の第一人者であるダニエル・カーネマン氏の「ファスト&スロー」という著書で紹介されていて、2002年にノーベル経済学賞を「プロスペクト理論」によって受賞されています。

その本で紹介されているのは、50年間にわたるデータを基にした調査です。

そこには、投資マネージャーの運用成績はサイコロ投げにも劣る。この調査によれば少なくとも投資信託・アクティブ・ファンドの3件に2件は、市場全体のパフォーマンスを下回っていた。

過激な例えですが、「サルに任せるか、あるいはコイン投げで運用した場合の的中率5割の方がましだ」と主張されています。

このようにデータが示していますから、それでももしアクティブファンドで日本株に投資したいと考えるなら、数多くの日本株やアメリカ株のアクティブファンドの中から、期待する利回りを達成するファンドがどれなのか、念入りに調べる必要がでてきます。

資産運用の重要なポイントとなるのは、手数料だという事になります。

【続き→投資信託の手数料(コスト)を徹底比較

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