福岡リート(8968)は、日本初の地域特化型J-REITとして、沖縄を含む九州全域を投資対象としています。

スポンサーはメインの福岡地所(50%)を筆頭に、九州電力(10%)他の九州の有力企業が約5%のマイナー出資しています。(福岡銀行・西日本シティ銀行・日本政策投資銀行・西部ガス・九電工・西鉄・JR九州・ロイヤルホールディングス

福岡リートスポンサー福岡地所
(出典:公式HP)

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投資対象タイプ&投資エリアポートフォリオ

福岡リートの投資方針では、福岡都市圏60~90%その他九州地域10~30%、その他0~10%の割合での投資ポートフォリオを行うということです。現状では福岡都市圏77.2%、その他九州地域22.8%となっています。

そして投資対象のタイプでは商業施設で40~70%、オフィスビル20~50%、その他0~30%という割合で投資するとのことです。現状では商業施設59.2%、オフィスビル26.9%、その他13.9%となっています。
(2020年2月29日現在)

その他には、物流(約7%)住宅(約4%)ホテル(約2%)等も行っており、福岡リートの名前の通り福岡の成長に恩恵を受けていける銘柄と言えそうです。

福岡リートのベース賃料・フロート賃料について

福岡リートの固定(ベース)賃料・変動(フロート)賃料前年同期比
(出典:公式決算資料)

福岡リートでは、上のグラフのようにベースの固定賃料部分と、売上や歩合などで変動するフロート賃料とに分かれています。

福岡リートでは約88%を固定のベース賃料、残り約12%をフロート賃料という割合で売上を上げていることが分かります。

下のグラフ、変動のフロート部分をみると第31期ではキャナルシティが前年同期比で20%ほど下落していることが分かります。

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福岡リートの業績予想、分配金(配当)

業績予想・賃料想定
(出典:公式決算資料)

第32期では、新型コロナウィルスの影響がもろに入ってきますが、微減となる予想がでています。第33期からは新規取得の物流物件の収益貢献が始まるとのことで微増予想です。

分配金(配当)について

福岡リートの分配金(配当)
(出典:公式決算資料)

福岡リートの分配金(配当)については、第31期の分配金は予想の8円マイナスということで許容範囲内かなという印象です。

第32期はコロナの影響がもろに入ってきますが、3,150円の予想となってきます。さすがにキャナルシティの閉鎖をするとなると、影響がでますよね。。。

ただベース賃料割合が高いこともあり、福岡リートの底力を感じさせてくれます。

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福岡リートのリスク度合い(格付けと日銀・LTV・含み損比率)

続いて福岡REITのリスクを測るために、格付けLTV(Loan to Value)含み損比率を見てみましょう。

JCRの格付けを見てみると、福岡リート投資法人は、2019年7月2日付けで「AA-」をキープしています。

(参考記事→世界の格付け機関のランキング方法

福岡リートの格付けが「AA-」を獲得していることもあり、日銀(日本銀行)によるJ-REITの買付け対象銘柄となっています。そして2020年4月現在では、日銀による福岡リートの保有は8.46%となっています

日銀のETFやJ-REITの買付ルールなどついて詳しく知りたい方はこちらへ
(参考記事→日銀、J-REITの買付ルールと買付銘柄について

LTV(Loan to Value)の推移とLTVコントロール

LTV(Loan to Value)の推移とLTVコントロール
(出典:公式決算資料)

福岡リートのLTVを見てみましょう。LTV(Loan to Value)ですが、日本では「総資産有利子負債比率」と言われ、J-REITの借金比率を表す重要な指標となります。

J-REIT平均が44.1%のところ、福岡リートは近年40%以下と借金比率が低く安全で保守的なな経営をしていることが分かります。

含み損比率(鑑定評価額の推移)

福岡リートの含み損比率・含み益比率
(出典:公式決算資料)

福岡リートのすごいところは、保有29物件全てで鑑定評価が取得価格を上回っていることです。含み益が20%とでています。

成長エリアという福岡に集中しているという強みを遺憾なく発揮しています。

福岡リートまとめ

スポンサーである福岡地所は、現在9.09%を保有している福岡リートの投資口を、上限で投資口10,000口(1.3%)追加取得することを13日に発表しています。(取得期間:4月14日~6月30日)

固定賃料である福岡リートなどの優良銘柄が、約50%など半額ほどの株価に下がっているのは信じられない状況です。

私も福岡市長の本を拝読しましたが、福岡の成長には眼を見張るものがあり、その恩恵を享受できる、福岡リートには引き続き注目していきたい所です。

◯合わせて読みたい
ケネディクス商業リート投資法人 (345)銘柄分析

  

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